髙橋修法律事務所

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会社法務Q&A

内部通報と企業の対応

2018.02.14

昨日の日経新聞によりますと、政府は企業の不正を告発した内部通報者を報復的に解雇したり異動させたりした企業に、行政措置や刑事罰を科す検討に入ったようです。

内部通報というのは、企業の従業員が法令違反などの不正行為を発見し、社内のコンプライアンス窓口や会社が指定した弁護士事務所に通報する制度です。

平成16年に公益通報者保護法が制定されましたが、通報者は会社から解雇など不利益処分を受けた場合、それを争うために裁判を起こし、解雇の無効や損害賠償を争わなければならないことが多く、従業員は報復人事を気にして通報をためらうと言われています。

そのため、通報しやすい制度を整えることで、企業のリスク管理能力を向上させて不正を抑止するのが狙いです。政府は、通報者保護を手厚くするため、報復人事などが明らかになった場合、企業に勧告を出したり企業名を公表したりする行政措置を設ける方向のようです。通報者への企業の対応がより悪質だと認められれば、罰金や懲役などの刑事罰も検討するようです。

政府が制度の改善を急ぐのは、現行制度の活用が不十分なためです。調査によりますと、社内に通報窓口を設けている企業の8割以上が、不正関連の年間の通報・相談件数は5件に満たない状況です。
企業内部の不正を放置すると、発覚後に企業が受ける損害や取引先の被害も大きくなり、企業の倒産などの事態につながります。帝国データバンクの調査では、平成27年度に粉飾決算などのコンプライアンス違反が原因で倒産した企業は289件と過去最多を更新し、28年度も高水準を維持しています。