過労死が労働災害と認められると、労災保険法により療養補償、休業補償、障害補償、遺族補償、傷病補償、介護補償などが受けられます。
この労災の認定を受けるには、その疾患が従事していた業務が原因で発症したものかどうか、事業主のもとで過重な業務に従事していたかどうかが問題となります。
この労災保険は労働者保護のため政府が主管する保険制度で、労働者に過失があった場合や、会社に落ち度がない場合にも原則として補償が認められます。
また、使用者は従業員が業務で健康を害しないよう労働時間や労働条件などの環境を整備して労働者の安全を配慮する義務があります。
会社がこの安全配慮義務に違反すれば損害賠償責任を負います。そして、会社に責任が認められるには安全配慮義務違反と過労死との間に相当因果関係があることが要件となります。
また、直属の上司らが部下の社員の過重労働や部下が疾病に罹患したことを知りあるいは知ることが出来たかどうか、会社が労働時間の短縮や業務内容の是正、業務担当者の変更や増加など社員の健康面に配慮した適切な措置を講じたかどうかなどが問題となります。