髙橋修法律事務所

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契約・不動産Q&A

債権譲渡はどうかわるのか 民法の改正

2018.02.01

1 債権譲渡制限特約の効力 (改正民法466条)

ア 債権譲渡制限の特約があっても、債権譲渡は有効です。
但し、債権譲渡制限の特約について悪意重過失ある第三者に対しては、債務者は履行を拒むことができ、譲渡人に対する弁済など債務の消滅をその第三者に対抗できます。
イ アの但し書きの場合、譲受人は債務者に対し、相当の期間を定めて譲渡人に履行するよう催告でき、その期間内に譲渡人に対し履行がないときは、債務者は譲受人への履行を拒むことはできません。
ウ 預貯金債権については、アにかかわらず、譲渡制限の特約があれば、債務者は悪意重過失の譲受人に対し、譲渡制限が有効であることを主張できます(改正民法465条の5)。

債権譲渡制限の特約があっても債権譲渡は有効というのが改正の基本的立場です。

譲受人が悪意重過失の場合でも債権譲渡は有効とされますので、債務者は譲渡人に対し履行義務を負いません。他方、譲受人に対しても悪意重過失を理由に履行を拒むことができます。その結果、債務者は譲渡人にも譲受人にも履行しなくてよい状況となります。
この状態を解消するため、譲受人は債務者に対し、相当の期間を定めて譲渡人へ履行するよう催告でき、その履行がなければ、譲受人への弁済を請求できることにしました。

預金や貯金の債権は、一般に譲渡制限特約が付されており、それを知らないことには重過失があると言えます。従って、現在は預金等の債権の譲渡がされても金融機関は口座名義人の払い戻しに応じています。
しかし、今回の改正法の基本的立場を貫くと、譲受人と譲渡人のどちらに払い戻せばよいのか金融機関が判断することが困難になります。そこで改正法でも、金融機関は口座名義人へ払い戻せばよいようにするため、ウの特則が設けられました。

譲渡制限特約があっても差押えは有効であるのが原則です。
但し、債権の譲受人が悪意重過失の場合、その譲受人の債権者がその債権を差し押さえた場合は、債務者は履行を拒絶できます(改正民法466条の4)。

譲受人の差押債権者は譲受人以上の権利を取得することはできません。

2 将来債権の譲渡(改正民法466条の6)
債権譲渡の時に債権が現に発生していなくても債権譲渡はできます。譲受人は、将来発生した債権を取得することになります。

現行法は債権譲渡の時に発生していない債権(将来債権)の譲渡についての規定を置いていませんが、これまでも判例では認められており、それが明文化されました。

3 債権譲渡と相殺 (改正民法469条)
ア 債務者は、債権譲渡がなされたことについて対抗要件具備時(譲渡人から債務者への通知又は債務者の承諾)より前に取得していた譲渡人に対する債権による相殺で、譲受人に対抗することができます。
イ 債務者は、対抗要件具備時より後に取得した譲渡人に対する債権であっても、次の場合は相殺を譲受人に対抗できます。
・対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権
・対抗要件具備時より後の原因に基づいて生じた債権であっても、譲受人の取得した債権の発生原因である契約によって生じた債権