髙橋修法律事務所

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契約・不動産Q&A

消滅時効はどうかわるのか 民法の改正

2018.01.25

民法の改正により、消滅時効は次のとおり変更されます。

1 債権の消滅時効(改正民法166条)

ア 債権は、債権者が権利を行使することができることを知った日から5年間行使しないとき、又は、権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、時効によって消滅します。
イ 現行法の職業別の短期消滅時効を定めた規定などは削除されます。商事時効を定めた商法の規定も削除されます。

債権者は、多くの場合権利を行使することができるときにそのことを知ったことになりますので、今後は債権の消滅時効期間は5年になることがほとんどになります。従って、これまで10年だった一般債権は半分の5年で時効消滅することになります。
但し、会社の商行為により生じた債権はこれまでも商法で5年でしたので変わりません。

2 生命身体侵害による損害賠償債権の消滅時効(改正民法724条の2、167条)

人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効期間は、損害及び加害者を知った時から5年間、又は権利を行使できる時から20年間で時効消滅します。

一般的な不法行為の消滅時効期間は、損害及び加害者を知ったときから3年。債務不履行に基づく場合は5年(又は10年)です。
しかし、生命身体の侵害による損害賠償請求権は、それが債務不履行に基づくものでも不法行為に基づくものでも、保護の必要性が高いのでより長期の時効期間になります。従って、交通事故や医療事故、犯罪等で生命身体が害されたことに基づく損害賠償請求権は、これまでより時効期間が長くなります。不法行為に基づく場合、損害及び加害者を知ったときから3年から5年になります。

3 協議による時効完成猶予制度の新設(改正民法151条)

当事者間で権利に関する協議を行う旨の書面又は電磁的記録による合意があったときは、次の時点のいずれか早い時まで時効は完成しません。

ア 合意があった時から1年経過時
イ 合意で協議期間が1年未満と定められていたときは、その期間を経過した時
ウ 当事者の一方が相手方に協議続行拒絶を書面又は電磁的記録で通知した時から6か月経過した時

当事者は上記のとおりお時効が猶予されている間に、改めて上記の合意ができます。ただし、その期間は、本来の時効完成時点から合わせて5年を超えることができません。

上記の合意は、本来の時効完成時点までに行わなければなりません。催告によって時効完成が猶予されている間に行っても時効完成猶予の効力はありません。

これは、当事者の協議で時効完成を阻止する方法がないと時効中断のための訴訟提起に直結しやすいので、そのような事態を回避するため新設されました。