髙橋修法律事務所

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刑事事件Q&A

裁判員制度は、国民が裁判員として刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを3人の裁判官と一緒に決める制度で、平成21年5月から実施されました。

国民が刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼の向上につながることが期待されています。
国民が裁判に参加する制度は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア等でも行われています。

裁判員は、選挙権のある人の中から翌年の裁判員候補者となる人を毎年抽選で選び、裁判所ごとに裁判員候補者名簿を作ります。そして、事件ごとに名簿から抽選でその事件の裁判員候補者を選び、裁判所で候補者から裁判員を選任する手続が行われます。裁判長から、被告人や被害者と関係がないかどうか、不公平な裁判をするおそれがないかどうか、原則として辞退できませんが、例えば親の介護などやむをえない理由で辞退を希望する場合の事情などを質問されます。こうして候補者から6人の裁判員が選ばれますが、1年あたりで候補者に選ばれる確率は全有権者のうち約300人から600人に1人程度、実際に裁判員または補充裁判員になるのは約3500人に1人程度です。

裁判員に選ばれたら、原則として裁判員6人が3人の裁判官と一緒に刑事事件の公判に立ち会い、判決まで関与します。

公判は連続して開かれますが、証拠書類を取り調べたり、証人や被告人への質問が行われ、裁判員から証人などに質問することもできます。証拠を全て調べ
たら、次に事実を認定し、被告人が有罪か無罪か、有罪だとしたらどんな刑にすべきかを、裁判官と評議し評決することになります。

裁判員制度の対象となる事件は、殺人や強盗致死傷、身の代金目的誘拐、保護責任者遺棄致死など重大事件で、マスコミに取り上げられることが多く、報道で事件の感想などを抱くことがあるかもしれません。しかし、裁判員はそのような情報によって判断するのではなく、法廷で見たり聞いたりした証拠だけで判断する必要があります。
評議を尽くしても、意見の全員一致が得られなかったとき、評決は多数決により行われます(ただし、裁判官、裁判員のそれぞれ1名以上の賛成が必要です)。有罪か無罪か、有罪の場合の刑に関する裁判員の意見は、裁判官と同じ重みを持っています。 評決内容が決まると、法廷で裁判長が判決を宣告し、裁判員としての役割は終了します。

 

犯罪の被害を受けた者が告訴する際の注意点についてご説明します。
刑事告訴とは、犯罪の被害者その他一定の者が、捜査機関である司法警察員(警察官のこと)または検察官に対し犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示のことです。

被害届は、犯罪事実の申告はしますが、犯人の処罰を求める意思表示は含まれていません。告訴は、正式に受理する前に警察等は慎重な検討をしますので、捜査を早く開始してもらうことだけを考えるなら被害届を提出するというのも一つの方法です。

告訴状の提出先を警察にするか検察にするかは自由ですが、多くの人員を抱え、機動性があり大量の事件処理能力がある警察に告訴するのが一般的です。

また、個人で警察等に赴くより、費用はかかっても弁護士に依頼し、告訴状を作成してもらい、証拠書類とともに弁護士が告訴人の代理人として提出する方が、スムーズに告訴状を受理してもらうなど告訴人に有利に手続きが進む場合が多いようです。

警察などに告訴状を持参して提出しようとしても、簡単には受理してくれません。受理すれば捜査の義務が発生するので、証拠などの不備を指摘され、なかなか告訴状を受理してくれないのが実情です。

検察官が起訴・不起訴など告訴事件を処分すると、処分結果が告訴人に通知されます。

もし不起訴となった場合、その処分が不服であるなら検察審査会に対し審査の申立ができます。

刑事手続は、身体を拘束するなど基本的人権の保障と厳しく対立するため、厳格な刑事手続が法律で定められています。

以下は身体を拘束された場合の刑事手続の大まかな流れです。

 

1 逮捕・勾留

(1)捜査は、被害者や第三者が申告したり、捜査機関の現認等を端緒にして、犯罪があると思われるときに開始されます。

(2)逮捕は、現行犯人なら誰でも逮捕状なしに逮捕できますが、その他の場合には、原則として、事前に裁判官が発付する逮捕状を得て逮捕しなくてはなりません。

(3)逮捕後の勾留は、逮捕の時から48時間以内に身柄が検察官に送致(送検)され、身柄受領から24時間以内(ただし、逮捕時から72時間以内でなければならない)に、検察官は起訴するか、裁判官に勾留請求をします。勾留期間は、原則として勾留請求した日から10日間で、さらに10日間延長することができます。
従って、被疑者として勾留されるのは、通常の犯罪ですと最長で23日間となります。

(4)拘束された被疑者に対し、弁護人は立会人なくして接見(せっけん、面会のこと)することができます。この接見交通権は被疑者の防御のために重要な権利です。

 

2 起訴

(1)被疑者を起訴するかどうかの権限は検察官がもっており、様々な事情を考慮して起訴しないこともあります。

(2)公判請求(正式裁判)は、裁判所に予断を与えないよう、起訴状を裁判所に提出することによって行われます。
略式命令請求は、公判廷で審理をせず、書面審理だけで被告人に財産刑(罰金等)を科す手続を求めるものです。

(3)犯罪の嫌疑があっても、被疑者の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の情況等により、検察官が起訴しないこともあります。これを起訴猶予処分といいます。
その他に、事件が罪とならない場合や、犯罪の嫌疑が不十分である場合にも不起訴処分になります。また、処分保留ということで釈放されることもあります。

 

3 裁判手続

(1)正式裁判の手続

冒頭手続

人定質問

裁判官が被告人に対し、起訴されている人に間違いないか確認します
検察官の起訴状朗読

これから裁判していく犯罪行為を明らかにします

黙秘権等の告知

裁判官が被告人に説明します

被告人・弁護人の被告事件についての陳述(認否)

起訴事実に間違いないか否かを答弁します

検察官の冒頭陳述

被告人の経歴や事件内容等について、検察官がこれから立証しようとすることを明らかにします

証拠調手続

書証、物証、証人尋問や被告人質問が行われます

論告(求刑)

検察官としての量刑等に対する意見を言います
弁論手続

被告人の最終陳述

弁論終結

判決宣告

(2)大阪地方裁判所の場合ですと、起訴から約1ヶ月後ぐらいに第1回公判があ ります。争いのない事件の場合には、人定質問から被告人の最終陳述まで1、2回の公判で終わることもあり、その場合には次回には判決が言渡されます。被告 人が起訴事実を争っていたり、複数の事件や共犯者が起訴されている場合などでは、公判回数が多くなります。

(3)地方裁判所の判決に不服があれば、2週間以内に高等裁判所に控訴を申立てることができます。その後、高等裁判所の判決に不服があれば、最高裁判所に上告を申立てることもできます。

 

4 弁護人の弁護活動

(1)起訴前弁護
弁護士は被疑者に立会人なくして接見を行うことができ、事実関係を確認してその後の弁護方針を検討し、場合によっては、被疑者の利益のために不起訴処分に なるように検察官に対し意見を述べ証拠を提出することもできます。

(2)公判弁護
弁護人は、被告人の人権を守る最後の砦として被告人の正当な利益と権利を守るために真実の発見に努め、被告人の無罪を主張したり、情状についての主張をします。
弁護人は、被告人や関係者からの事情聴取や現場検分などをおこない、供述や証拠等を詳細に検討して真実の発見に努め、弁護人として検察官とは異なる観点か ら客観的真実を追究し、被告人の正当な利益を擁護します。

(3)保釈
被疑者は、起訴されると、保釈(身柄拘束を解くこと)の請求ができる場合があります。弁護人は、裁判所に保釈を請求し認めてもらえるように活動します。こ のとき、裁判所から保証金を積むことが要求されます。

(4)被害者との示談交渉等
弁護人は、被害者と被害弁償や示談などをおこない、被告人(被疑者)が情状面で有利になるよう活動します。

(5)弁護士費用
報酬基準に基づき、弁護士に対し刑事事件の弁護の依頼をする際には着手金が必要です。また不起訴、無罪、刑の減軽等の場合には成功報酬が必要となります。 事案によっては、例えば否認事件等のために長期化が予想される場合には、公判弁護料として一公判期日毎に弁護士費用がかかることもあります。

 

髙橋修法律事務所は刑事事件も扱っておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

 

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