髙橋修法律事務所

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子狸ぽんちゃん

2015.07.03

妻が先日早朝に交差点の所でうずくまっていたと家に連れて帰ってきた子狸のぽんちゃんの話です。

1日目、家に来た時は全く元気がなかったのですが、お乳をやってたりしてすっかり元気になりました。

2日目の早朝、母親が子狸を探しているかも知れないと、妻と一緒にぽんちゃんを見つけた交差点付近を探していたところ、車にはねられて死んでいる母親らしき狸を近くで見つけてびっくり(後にハクビシンと判明)。

野生の動物は雑菌を持っているかも知れず、早く野生に帰した方が良いと聞いて、その日の夜、ぽんちゃんの家族がいるかも知れない人里近い森の入り口にぽんちゃんを置いてきました。

3日目、まだ生後1ヶ月にもならないポンちゃんが一人で生きていけるのか、早く野生に帰しすぎたかと後で心配になって、妻と一緒に早朝と夜の2回、ぽんちゃんを置いてきた場所の付近を探しに行きましたが、ぽんちゃんの姿は見当たりませんでした。

4日日、もう見つかることはないと諦めていましたが、妻はぽんちゃんを置いてきた森の近くの家を訪ね、事情を話し、もし見つけたら連絡してほしいとお願いしました。

その数時間後、子狸を子供が見つけたという驚きの連絡があり、早速引き取りに行き、ぽんちゃんは再び家に帰ってきました。
まさに奇跡の生還で、妻と喜び合いました。
そして、今度は独り立ち出来るという秋に野に帰すまで家で引き取ろうと決心したのです。

5日目、ぽんちゃんは、犬小屋に入るのが嫌らしく、「グアッ グアッ」と時々鳴いて外に出たがりました。庭に出してやると、今度は塀から家の外に出たがります。すっかり野生に戻っていました。
飼い猫のうっしーを診てもらっている動物病院の先生に妻が聞いたところ、元気になったら野生に帰すのが自然のルールで、後のことは人間が関与すべきでないということでした。
考えてみれば、人間が良かれと思っていることでも、ぽんちゃんにしたら虐待されていることなのかも知れません。

結局、2転3転して、今度は車にひかれたりしないよう、人里離れた山の中にぽんちゃんを帰すことにしました。
雨が降りしきる夜、森にぽんちゃんを再び帰すため、車で妻と2人で霧でかすんだ生駒山の中腹まで行きました。

「元気に生きるんやよ」と声をかけられたぽんちゃんは、初めは私や妻の足にまとわりついていましたが、すっと山の森の中に入っていきました。
そして、森の中がとても気に入った様子で、「グアッ グアッ」と歓喜の雄叫びをあげました。その鳴き声は、妻や私に「助けてくれて、ありがとう」と言っているようでもありました。
やがて、ぽんちゃんは森の遠くに行くにつれ、「グアッ グアッ」の声は少しづつ小さくなっていきました。