髙橋修法律事務所

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相続Q&A

相続のトラブルの原因

2017.12.22

1 親の死亡後、子供たちの間で相続争いのトラブルが発生し、次第に感情的対立が激しくなり、いわゆる骨肉の争いとなって、紛争が長期化、複雑化することが多くなりました。
トラブルの原因としては、まず相続人の権利意識の高さがあります。戦前は家督相続として家長が単独相続していましたが、戦後は兄弟姉妹が均等相続することとなりました。

そのため、相続人の権利意識は高く、自己の相続分を確保するため法定相続分を主張することが多くなりました。特に遺産の中で自宅の土地建物の占めるウエイトが非常に大きい場合、自宅を誰が相続するかで、兄弟姉妹間の公平が大きく決定づけられます。

2 兄弟姉妹などの相続人は、えてして感情的な対立が非常に激しく、そのため冷静かつ客観的な判断が非常に難しくなることがあります。さらに相続人の配偶者など相続人以外の者の意見が影響を及ぼす場合もあります。
また、最近の超高齢化社会の影響を受け、相続人が高齢となって判断能力に影響を及ぼすこともあります。

また、日本では遺言書の作成がそれほど普及しておらず、そのため被相続人の意思が明確でなく、法定相続分で遺産分割することに相続人間に不平不満が残り、それが寄与分や特別受益という形で主張され、これが紛争の長期化、複雑化となっている面もあります。

3 その他、遺産分割をめぐるトラブルの要因として次のような場合があります。
相続人間にそもそもトラブルになりやすい人間関係の場合があります。

例えば、相続人である兄弟姉妹の間に異母兄弟ないし異父兄弟がいる時、相続人が後妻と先妻の子である時、相続人である子の内に非嫡出子つまり婚姻外で生まれた子がいる時、相続人の内に養子がいる時、相続人の内に代襲相続人がいる時など、全くそれまで付き合いがなかったとか疎遠であった場合など、そもそもトラブルになりやすい人間関係であった場合です。

4 さらに、遺産の内容がもめる要因となることがあります。

例えば、遺産が家業である会社の株式である場合、兄弟姉妹間の相続問題が経営権をめぐる争いにストレートにつながります。
また、遺産のうち被相続人の自宅が大きなウエイトを占めている場合、自宅を誰が取得するか問題となることがあります。また、自宅を取得する者が他の相続人に代償金を支払う能力があるかどうかも
問題となります。
また、相続人の内で一部の者が被相続人を生前より療養看護していた場合、一部の相続人が被相続人から生前に大きな贈与を受けた場合、これが寄与分や特別受益の主張となって、トラブルの原因となることがあります。

髙橋修法律事務所は、相続のトラブルの事件を多数扱っておりますので、お気軽にご相談ください。