髙橋修法律事務所

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会社法務Q&A

民事再生手続

2018.01.02

1.ようやく景気回復の兆しが見えるようになりましたが、販売不振、輸出不振や売掛金回収難などにより倒産する企業が増え、経営環境は依然として厳しい状態が続いています。事業経営者にとって基本的知識を身につけておいたほうが良いと思われるのは、平成12年4月から施行された民事再生法による民事再生手続です。
この手続は従来あった和議手続に代わる新たな再建型の倒産手続で、経営者は原則として交替することなく、債権者の多数の同意により可決された再建計画に基づいて事業の再生を図るものです。

2.この民事再生手続は、中小企業を主な対象として構想されたものですが、法律上は対象となる債務者について限定されていません。従って、大企業も利用することができますし、医療法人や学校法人などの株式会社以外の法人や個人事業者も利用することができます。ただ、申立の運用を見ますと、資本金1億円以下の中小の株式会社の申立が大部分で、個人事業者の申立はほとんどないのが実情です。この民事再生手続は従来の和議手続に比較して申立が激増しています。

.この民事再生手続の特色ですが、従来の和議では開始原因が破産原因(個人の場合は支払不能、法人の場合は支払不能又は債務超過)と同じでしたが、民事再生法では破産原因が生じる前の時点での再生手続が可能となりました。

担保権の取扱いについては、裁判所は債権者の一般の利益に適合し、競売申立人に不当な損害を及ぼすおそれがない場合には、相当の期間を定めて担保権の実行としての競売手続の中止を命ずることができます。また、担保権の対象である財産が債務者の事業の継続に不可欠な場合には、裁判所の許可を得て、その財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して、その財産の上にあるすべての担保権を消滅させることができる制度を導入しています。

次に、再生手続開始後の業務遂行については、経営者の経営能力・信用を活用することができるようにするため、債務者(取締役、理事等)が業務の遂行及び財産の管理処分を継続するのを原則としています。

ただし、債務者の財産の管理処分が不当であるなど事業の再生のために特に必要がある場合には、例外的に債務者に代わって業務及び財産について管財人を選任することができるとしています。

債務者が作成提出する再生計画案(弁済計画案)には、債権の変更、例えば債権を削減したり返済期限を延長したりすることを盛込むことができます。なお、再生債権者にも再生計画案の作成・提出権が認められています。

再生計画案を可決するには、出席再生債権者の過半数であって、議決権を行使することができる再生債権者の総債権額の2分の1以上に当たる者の賛成があれば足りるとしています。

再生計画案が可決された場合には、裁判所は認可又は不許可の決定をしますが、再生計画認可の決定が確定すると、債権者が有していた債権は再生計画の定めに従って変更されます。