髙橋修法律事務所

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日大の悪質タックル事件

2018.05.21

日本大学アメリカンフットボール部の守備選手が今月6日の定期戦で、関西学院大の選手に悪質なタックルをした事件が社会的に大きな問題になり、連日テレビで取り上げられ、今日は警察に被害届が受理されたようです。

スポーツで相手選手に怪我させた場合、刑法上は「許された危険」として原則として違法性は問われません。しかし、今回の件は、ボールを投げて約2秒経過後に無防備な状態の相手選手の背後から故意にタックルしており、許される限度を超えており違法行為となります。

日大は初めはこのような大騒動になるとは夢にも思わなかったのでしょうが、その対応はあまりに誠意がなくお粗末過ぎます。

事件の直後に怪我をさせた選手や関学に直接に謝罪しておれば、今ほどの大騒ぎになってないように思います。文書で通り一遍の謝罪や回答したでけで済ませようと考えていたとしたら、あまりに甘すぎます。

日大の監督は、雲隠れしていたけれど、連日テレビで悪質なタックルの画面が放映されアメフトが危険なスポーツと世間に誤解されるおそれ、監督が日大の常務理事で人事権を持つNO2の実力者であることから日大そのものへの悪影響や今後の受験数の減少まで指摘され大騒動となり、やむなく直接謝罪しに行ったもので、あまりに遅きに失したという感想を誰しも持ちます。

また、監督は被害の選手や関学に直接謝罪した後、監督の指示があったのかという記者の質問に、すぐに答えようとせず、後日文書で関学に答えると言っています。しかし、自分のことを聞かれているのですから、監督のこの返答に違和感を持った人も多いかと思います。

日大の監督は、旗色はすこぶる悪く四面楚歌の今の状況ですが、教育者であるわけですから、タックルした加害選手のこれからの人生のためにも、このようなタックルを指示したのかどうか、指導と受け止め方の「乖離」などと普段使わない言葉で弁解するのでなく、自分の言葉で正直に説明する義務があるように思います。