手形

手形と借用書の違いは何ですか。

手形は支払期日に手形金の支払いを約束した文書です。それなら借用書と同じではないかと思われますが、次のような違いがあります。
① 基本的な違いは、借用書がお金の貸し借りを証明する単なる証拠文書にすぎないのに対し、手形は有価証券といって、その上に手形金を請求する権利が結合し、それ自体価値をもっている点にあります。
具体的な違いですが、
② 手形は裏書により手形を渡すことで簡単に他人に譲渡できますが、借用書では借用書を渡す必要がないかわり、借主への譲渡の通知とか承認という面倒な手続きが必要です。
③ 借用書がなくても、貸金があることを証明して返済を請求できますが、手形を失うと権利者であっても原則として手形金の請求ができなくなります。 ・手形の支払いができないと不渡りになり、銀行取引もストップし倒産してしまいますが、借用書ではそのような制裁措置はありません。

ページの上へ戻る

手形の支払いのしくみを教えて下さい。

振出人のA社は取引している銀行に当座預金の口座をもっています。受取人であるB社は自分の取引銀行に手形を持って行き、A社の口座のある銀行にその取り立てを依頼します。そして、手形交換所による手形決済に回された後、A社の当座預金口座からお金が引き落とされ、B社の預金口座に手形金が入るしくみになっています。

ページの上へ戻る

手形を振り出すときどんなことに注意すればいいのですか。

☆必ず書かなければならない事項

手形を作成するにあたっては、必ず書かなくてはならない事項が手形法できめられています。これを「手形要件」といいます。
1 約束手形であることを示す文字(印刷されている)
2 受取人の名称
3 手形金額
4 支払約束文句(印刷されている)
5 振出日
6 振出地
7 振出人の署名(記名捺印)
8 支払期日(満期)
9 支払地(印刷されている)

銀行から交付される統一手形用紙では 1・ 4・9はすでに印刷されていますから、実際に空欄に書くべき事項はその他の6つです。これらを全部埋めれば、法律上手形が完成したことになります。振出人はこれらの事項を全部埋めるように心がけてください。
主なものをご説明しますと、2の受取人の名称は、受取人が株式会社のときは、例えば「株式会社A商事」と会社名だけを書けばよく、「株式会社A商事代表取締役Bというように代表者の名前まで書く必要はありません。 3の手形金額は、チエックライターで例えば「¥500,000※」とアラビア数字で確定した金額を記入します。手書きのときは漢数字で記入します。5の振出日は、空欄でも無効にはなりませんが、完全な手形といえませんから、手形の所持人は空欄をうめてから取り立てに出します。 7の振出人の署名ですが、会社の場合は「A株式会社 代表取締役B 印」と会社名、代表者の肩書、代表者個人の署名(または記名・押印)が必要です。

☆振出人の責任は重い

振出人は、次の三つの義務を負います。

無条件の支払義務
支払期日に無条件で手形金額を所持人に支払わなければなりません。

絶対的な義務
所持人が支払いの呈示期間(支払期日およびこれに次ぐ2取引日の期間)を過ぎてから請求して も、裏書人などと違って振出人は支払いを拒めません。

最終的な義務
支払期日に振出人が支払えなかったので、裏書人が支払うことがありますが、裏書人は支払った 金額を振出人に請求することができます。このように最終的には振出人が責任を負わなければな りません。従って、会社の営業活動に手形は欠かせませんが、支払の目途なく安易に振り出して はいけません。手形の支払いができなければ、倒産の憂き目にあうだけでなく、裏書人や所持人 など多くの関係者にも迷惑をかけることになります。

ページの上へ戻る

手形を受け取る際の調査について教えて下さい。

長い間取引関係がある相手から手形を振り出してもらう場合は、相手の経営状態などはある程度分かりますから、手形を受け取っても大丈夫かどうか判断できます。しかし、例えば初めての取引先から「代金の決済を手形でしたい」と言われた場合などは、相手の内部状態まではわからないことが多く、手形が不渡りになることも考えられます。このようなときは、まず手形を振り出す相手に支払能力があるかどうか信用を調査する必要があります。
調査の方法としては、取引銀行を通じて調べたり、興信所に調査を依頼したり、「企業年鑑」や「会社四季報」などの会社の資料を調べたり、相手先を直接訪ねたりして調べます。調査の結果、振出人の信用状態に不安があれば、手形の取引をしないのが望ましいですが、現実にはそうもいかないことが多いと思われます。そのような場合、少しでも不渡りの危険を減らすため振出人から担保や保証をとるようにしましょう。
方法としては、①手形保証②共同振出③裏書による保証がありますが、①②は振出人の支払能力に不安があることが明らかになるため、振出人が嫌がることが多いです。その点、③は保証のための裏書か、本来の権利移転のための裏書か表面上わからないため一番多く用いられます。

ページの上へ戻る

手形を紛失したり盗難にあったとき、どうすればいいですか。

受け取った手形を紛失したり、盗まれたりすると、そのままでは手形金の支払いを受けることはできません。また手形を他人に譲渡することもできなくなります。そのうえ、事情を知らない第三者によっていわゆる善意取得されたときは、手形上の権利を失うことになります。このことは振出人も同じで、受取人に渡す前に手形を紛失したりしたとき、善意の第三者が取得すると、支払いをしなくてはなりません。

☆紛失したときに、直ちにやるべきこと

①至急、支払銀行に連絡をする
まず、直ちに紛失した手形の支払場所になっている銀行に連絡して支払いをストップしてもらう必要があります。銀行は振出人との契約で手形の支払いをするわけですから、振出人からの事故届がないと支払いをストップしてくれません。従って、紛失した人が振出人のときは自分の取引銀行に事故届を出すことになりますが、振出人以外の人のときは、振出人に連絡して、振出人から支払銀行に事故届を出してもらうことになります。

② 警察にも届けを出す
手形を盗まれた場合は盗難届を、紛失したときは紛失届を最寄りの警察署に出す必要があります。これは、銀行に事故届を出したり、裁判所に公示催告を申し立てる際、警察の盗難証明書や紛失証明書が必要となるからです。

③裁判所に申し立て、手形を無効にしてもらう
次に、手形の支払地を管轄する簡易裁判所に公示催告の申し立てをします。公示催告といいますのは、紛失などした手形を現在所持している人に対して、一定の期限までに簡易裁判所に届け出るように命じ、期限までに届出がないときはその手形が無効になると公告することです。公示催告の申し立てには、申立書のほかに、振出人が作成した振出証明書、警察の紛失証明書または盗難証明書などが必要です。申立後、官報と裁判所の掲示板に公告が載ります。公示催告の期日(手形の届出期限)は、公示の日から最低でも6ケ月後に指定されることになっています。そして、公示催告の期間内に手形を所持している人からの届出がなければ、裁判所は除権判決を宣言します。この除権判決により、紛失した手形は無効になり、単なる紙切れ同然になるわけです。この除権判決が出れば、手形を紛失した人は、手形がなくても除権判決の正本を呈示して振出人から手形金の支払いを受けることができるようになります。紛失した人が振出人のときは、この判決が出れば不当な支払いを請求される心配がなくなります。

ページの上へ戻る
土曜法律相談実施中!! 当事務所は土曜日のご相談も承っております。当日でも対応可能です! メールでのお問い合わせはこちら
アフターファイブ-平日お勤め帰りのご相談もお気軽に。
アクセス

〒530-0054
大阪市北区南森町2-2-9
南森町八千代ビル4階

ホームページを見たとお伝えください 06-6361-6257

執務時間

月~金  午前9時15分~午後7時(午後7時までご来所頂ければ夜間相談可
土 午前9時30分~午後5時

毎日夜10時まで電話予約受付

詳しくはこちら
> > > >