裁量労働制

◆ 裁量労働制というのは、業務の性質上その遂行の方法を労働者の裁量にゆだねる必要性が高いため、その労働者が実際に何時間働いたかに関係なく、労使協定で定めた時間働いたとみなす制度です。例えば、労使協定で定めた時間が9時間とすれば、それ以上の労働をしても、それ以下の場合も一律9時間の労働と「みなす」ことになります。従って、上記のように法定労働時間の8時間を超えるみなし時間を協定すると、36協定の締結とたとえ1時間しか働いてなくても、時間外労働の割増賃金の支払義務があります。
  裁量労働制は、労働時間の長さとその業績が直接的に結びつけにくい業種が対象となり、専門業務型と企画業務型の2種類があります。専門業務型とは下記の業種を言います。

(1)新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学・自然科学に関する研究の業務
(2)情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であってプログラムの設計の基本となるものをいう)の分析又は設計の業務
(3)新聞・出版事業の記事の取材・編集の業務、又は放送番組制作のための取材編集の業務
(4)衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
(5)放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
(6)コピーライター、公認会計士、弁護士、一級建築士、不動産鑑定士、弁理士の業務
(7)情報処理システム活用のコンサルティングの業務
(8)建築物内の照明器具、家具等の配置のコンサルティングの業務
(9)ゲームソフト創作の業務
(10)証券アナリストの業務
(11)金融工学等の知識を用いる金融商品の開発の業務
(12)二級建築士又は木造建築士の業務
(13)税理士の業務
(14)中小企業診断士の業務

  企画業務型は要件が厳しくあまり利用されていません。

  企業にとっては、この制度を採用することにより、ダラダラ仕事をしないで短時間で最大の能力を発揮し仕事の効率を上げる目的があります。ただ、労働者に対する評価の対象となるのは仕事の結果しかありません。従って、仕事の成果をしっかり評価できるシステムが必要不可欠となります。
  一方、みなし労働時間を8時間以内にすると時間外手当がつかないため、労働者にとってはただ働きをさせられるおそれもあります。

◆ 裁量労働制は、労基法第4章の労働時間の算定に限られるため、「深夜業、休日労働、休憩の規定」などの適用が排除されませんので、深夜業、休日労働には時間数に応じた割増賃金の支払いが必要です。
  裁量労働制の適用者は、始業や終業時刻の決定についても自由裁量であるのが原則です。コアタイム(必ず就業していなければならない時間帯)を設定することは、この制度の趣旨に反しませんが、始業・就業時刻の遵守を求め、違反者に遅刻や早退の賃金カットをすることは制度の趣旨に反することになります。
  しかし、労働者が欠勤した場合は、上記のような取り扱いはされず通常の欠勤と同様の取り扱いがされます。
  また、裁量労働といっても、労働者の判断に任せられるのは労働の手段、方法、時間配分のみに限られ、何もかも自由なわけではありません。労働者として誠実に勤務し、職場の秩序を守らなければならないのは言うまでもありません。

◆ 裁量労働制に似た制度としてフレックスタイム制があります。この制度は、1日の労働時間帯を必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)と、その時間帯であればいつでも出社、退社してもよい時間帯(フレキシブルタイム)に分け、出社と退社の時間を労働者に委ねる制度です。  
  フレックスタイム制は、1日の労働時間は自由ですが、1ヶ月以内の一定期間の総労働時間をあらかじめ決めておき、その時間内で各日の労働時間を調整します。労働時間が総労働時間より少なければ賃金は減り、多ければその分支払われます。
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