リストラ

1.人員の削減
 企業をとりまく経営環境は常に変化し、最悪の時は事業自体の存続が危ぶまれることがあります。一方、労働者はその家族も含め会社で働くことが生活の基盤ですから、経営者は不況や事業不振を理由に安易に労働者を解雇することは解雇権の濫用として許されません。
  経営者としては、可能な限りの経営努力を尽くし、それでもなお現在の従業員の数では企業の存続が危ぶまれる状況においてのみ人員の削減が認められることになります。 
  そこで、希望退職者の募集と整理解雇について、法的に許される条件を説明します。

2.希望退職者の募集
 希望退職者の募集とは、会社がその従業員に対して退職金の増額や再就職先の斡旋等の措置を講じて、従業員の自由意思による退職を募ることです。
  経営者としては、従業員のモラルの上からも、会社の信用上も希望退職者の募集は避けたいところでしょうが、企業を維持するためにやむを得ずこれを実行しなければならないこともあるでしょう。
そして、会社が希望退職者の募集を実施する際には、経営方針にもよりますが、次の点が考慮されることが多いと思われます。
(1) 会社経営の抜本的な改善がなされ、不況克服のための営業努力がなされたこと
(2) 新規の従業員の採用を減少又は停止したこと
(3) 残業時間の規制等を行ったこと
(4) 配置転換や出向により人事の刷新を図ったこと
(5) レイ・オフ(再雇用を条件とする一時解雇)等を実施したこと等

3.整理解雇
 整理解雇とは、一般的には、会社が不況や事業の縮小等の際に会社経営の危機を打開するために従業員を解雇することを意味します。
会社が整理解雇をするには、判例上次の4つの厳格な要件を必要とされています。
(1) 整理解雇の必要性
会社経営が著しい危機に陥り、このままでは企業の維持存続が図れないために、整理解雇をしなければならない必要性が存在すること
(2) 解雇回避努力義務
会社として整理解雇を回避するために、経営方針の抜本的改善、新規採用の中止、労働時間の短縮、配置転換、出向、レイ・オフ、希望退職者の募集等の企業努力を尽くしたこと
(3) 被解雇者選定の合理性
整理解雇をされる従業員の選定が客観的で合理性があること。例えば、勤務成績や経済的影響の大小、年令等が解雇基準として考えられます。
(4) 説明、協議義務
会社は、整理解雇の必要性、解雇基準、解雇の方法や時期等について、従業員や労働組合に対して誠意をもって説明し、協議を尽くしたこと
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